ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
No Other Land
G
上映開始日:4/4
上映終了日:4/17
ノルウェー・パレスチナ合作
バーセル・アドラー、ユヴァル・アブラハーム、ハムダーン・バラール、ラヘル・ショール
オフィシャルサイト
2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA


ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

イスラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区<マサーフェル・ヤッタ>。本作は、この現状をカメラに収め世界に発信することで占領を終結させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バーセル・アドラーと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユヴァル・アブラハームの2人による決死の活動を、2023年10月までの4年間に渡り記録したドキュメンタリーだ。



監督は、彼ら自身を含むパレスチナ人2人・イスラエル人2人による若き映像作家兼活動家の4人。「イスラエル人とパレスチナ人が、抑圧する側とされる側ではなく、本当の平等の中で生きる道を問いかけたい」という彼らの強い意志のもと危険を顧みず製作された。



スマートフォンや手持ちカメラを使用した、そこで暮らす当事者だからこそ捉えることのできた至近距離からの緊迫の映像で、住民たちが家や小学校、ライフラインを目の前で破壊され強制的に追放されていく、あまりに不条理なパレスチナの現実をあぶりだしていく。



しかし、本作が映し出すのはその惨状だけではない。バーセルとユヴァルという同じ年齢の青年2人が、共に過ごし対話を重ねることで、政治的背景や立場を越えて“命がけの友情”が生まれる奇跡的な瞬間だ。彼らの姿は、「どうしたら人は分かり合えるのか?」という問いへの一筋の希望を、私たちに与えてくれるに違いない。 今年2月のベルリン国際映画祭では最も大きな盛り上がりを見せた1作となり、上映後に観客席から割れんばかりの拍手が沸き起こるとともに、パレスチナへの連帯を示す声が瞬く間に重なっていき大合唱へと発展した。 見事に最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をW受賞し、バーセルとユヴァルが揃って登壇した受賞スピーチは同映画祭のハイライトとして大きな話題を集めるも、イスラエル擁護の姿勢を示すベルリン市長などからの激しい非難にさらされた。今なお世界中で大きな論争が続いているが、監督たちは精力的に活動を続けている。