スイート・イースト 不思議の国のリリアン
どこか物憂げな高校生リリアン。ワシントンD.C.への修学旅行でも、はしゃぐクラスメイトを冷めた目で眺めていた。その夜、みんなで抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。そこにいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込む。そこには大きな鏡の裏に“秘密の扉”があり、地下通路へと繋がっていた・・・。お気楽な活動家アーティスト集団、感傷的なネオナチ男、エレクトロ好きのイスラム主義者・・・恐怖とユーモアが交錯する現代アメリカ(不思議の国)の闇(リアル)を巡る、数奇な旅のはじまりだった。
第76回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、そのクールな映像スタイルと奇妙でアイロニカルに溢れた物語の構築で話題となった野心作がついに日本公開。監督は、NYインディペンデント映画シーンの鬼才ショーン・プライス・ウィリアムズ。サフディ兄弟監督『神さまなんかくそくらえ』、『グッドタイム』などの撮影監督としてインディーズ映画シーンを支えてきた。また福永壮志監督『アイヌモシリ』や遠藤麻衣子監督『TOKYO TELEPATH 2020』など日本人監督ともいくつかコラボレーションしている。長編・短編映画・TVシリーズ・ミュージックビデオなど120本以上の作品を撮影してきた彼の監督デビューとなる本作でも、全編16㎜フィルムで撮影し、被写体に迫る鋭いリアリティとラフでありながら味わい深いカメラワークを遺憾なく発揮している。
主演は『17歳の瞳に映る世界』のタリア・ライダー。確かな演技力とキュートな笑顔で思春期の危うい少女の魅力をスクリーンいっぱいに表現している。不思議な旅で出会う人物たちには、ショーン・ベイカー監督作『レッド・ロケット』で高い評価を受けたサイモン・レックス、『プリシラ』でエルヴィス・プレスリーを演じたジェイコブ・エロルディ、シンガーソングライターのニック・ケイヴの息子であり注目の若手俳優アール・ケイヴ、Netflix「エミリー、パリへ行く」のジェレミー・O・ハリスなど。多彩な俳優たちが、物語に深みを与えリアルな息吹を吹き込んでいる。
<ストーリー>
サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、彼氏のトロイ、親友のテッサ、何かとトロイにちょっかいを出してくるアナベルたち同級生と、修学旅行でワシントンD.C.を訪れている。はしゃぐクラスメイトを、ひとり冷めた目で眺めている、どこか物憂げなリリアン。夜、皆で抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。その場にいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込むと、大きな鏡の裏に“秘密の扉”があった。それは地下通路へと繋がっていた・・・。
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