渇愛
本作の監督は、元小学校教師で、教え子と十数年ぶりに再会した際、彼女から耳を疑うような実体験を打ち明けられた。成長した教え子は、現代社会が抱える闇の一つ“摂食障害”になっていた。家族関係も友人関係も崩壊し、救いの手を求めて、山奥の施設”に行き着くが、そこで衝撃的な事件を体験していた。その実話を元につくられた物語が本作品である。ディスコミュニケーションと飽食の時代である現代を舞台に、摂食障害、DVなどの社会問題を通して、現代人の心の痛みを描く。
三河映画「渇愛」の映画制作には、全員手弁当で参加し、お金ではなく人とのつながりを重視し、時間をかけて行われ、完全自主制作体制で行われました。ロケ地は、無料協力をして頂ける場所を探し、33箇所のロケ地で撮影をしました。約300人の人たちの協力を得て、小道具・大道具は集められました。オーディションは、7か月にわたり実施し、理想的なキャストが集結しました。
その後、1か月かけて、撮影や演技のワークショップを行ったり、2泊3日の合宿によるワークショップも行ったりしました。これらのワークショップには、100人近くの役者たちが参加しました。リハーサルは4か月かけて行い、撮影前に2種類の予告編の制作もしました。愛知県の津具の小学校の跡地内にセットを建て、そこで3か月の合宿による撮影を行いました。撮影全体は、季節感を取り入れ約1年間かけて実施。編集後、1年間のスクリーニング上映を重ねて、ブラッシュアップして完成しました。
<ストーリー>
大学生の早紀は、はたからは家族関係も問題なく平穏な生活を送っていたが、心の奥に孤独を抱えていた。ある日、彼女はキャンパスで玲奈の存在を知り、一気に魅了される。玲奈のように痩せて美しくなり、誰からも愛されたいという思いが芽生えるが、早紀と玲奈の関係は悪化。傷ついた早紀は、そのストレスから食べ吐きを繰り返し、摂食障害に陥ってしまう。治療のため山奥の施設に入所し、入所者との共同生活を送るが、その先には予想もしない出来事が待っていた…
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