親友かよ
亡き“親友”を偲ぶ 映画づくりを通して気づく、かけがえのない時間一 全世代のノスタルジーをかき立てるタイ発の青春映画
アジアのA24と称され、近年、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(17)、『ハッピー・オールド・イヤー』(19)、『女神の継承』(22)をはじめ数々のヒット作を生み出しているタイの映画会社GDH 559が製作を、そして『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のバズ・プーンピリヤ監督が映画初プロデュースを手がけた『親友かよ』。2024年の第19回大阪アジアン映画祭で上映され、話題を呼んだ本作が待望の劇場公開となる。
高校3年生のペーは転校先でジョーと隣同士の席になる。人懐っこいジョーに対し、乗り気になれないペーだったが、その矢先、ジョーが不慮の事故で亡くなってしまう。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学に進学できると聞いたペーは、ジョーの“親友”だと偽り、彼を偲ぶ映画づくりを画策。こうして、ジョーの本当の親友ボーケーや映画オタクたちを巻き込んだ映画撮影が進んでいくのだが、ペーはジョーの思いもよらない秘密を知る。
初監督を務めたのは、ミュージック・ビデオやCM制作で活躍するアッター・ヘムワディー。元々彼の作品のファンだったプロデューサーのバズの希望により、今回の大抜擢へとつながった。そして『ふたごのユーとミー 忘れられない夏』(22)の主演コンビ、アンソニー・ブイサレートとティティヤー・ジラポーンシンがペー役&ボーケー役で再びタッグを組み、手探りの映画づくりを通して成長していく高校生たちの愛おしくも戻らない日々を瑞々しく好演。
嘘から始まった映画づくり奮闘記から一転、親友の秘密を知った主人公がたどり着く「ほんとうの親友とは何か」「相手の秘密を知っても友達でいられるか」という永遠の問い―――。友情、初恋、ものづくりへの初期衝動。青春のクライマックスを凝縮した本作は、世代を問わず、観る者を“あの頃”へと誘い、ノスタルジーをかき立てる。
<ストーリー>
高校3年生のペーは転校先で隣席になったジョーと知り合う。初対面で「友達になりたい」と言う人懐っこいジョーに対し、「もうすぐ卒業だから」と会話に乗り気になれないペー。そんな矢先、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ぺーはジョーが書いたエッセイを見つけ、それが実はコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学の映画学科に入学できると知ったペー。父親から大学受験に失敗したら家業の製粉工場で働くように言われていたペーは、その呪縛から逃れるためにジョーの“親友”だと嘘をつき、彼のエッセイを利用した短編映画を撮ることを画策。そこに、唯一ペーの嘘を知るジョーの本当の親友・ボーケーや、撮影のために準備されたiMacに目が眩んだ映画オタクたちが現れ、学校全体を巻き込んでの映画撮影が始まる。新しくできた仲間との創意工夫に満ちた楽しい撮影が進むにつれ、席が隣だっただけのジョーの魅力を知っていくペーだったが、ジョーの思いもよらない秘密を知ることになる 。
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