ほうきに願いを
なし
日本
五藤利弘
桃果、和泉詩、モロ師岡、岩瀬晶子
オフィシャルサイト
2021「ほうきに願いを」製作委員会


ほうきに願いを

東日本大震災で被災した少女に手を差し伸べる 鹿沼のほうき職人、そしてその娘の葛藤を描く物語

栃木県鹿沼市で江戸時代から伝わる鹿沼箒を受け継いできた卸問屋の男性。彼は自身が数年前に前立腺がんを患い人生を振り返った際に自分のこれまでを記録として残したいと考えたことから自伝的な映画製作を発起。宇都宮で演技レッスンのワークショップを開催していた五藤監督の記事に目を留めて依頼したことからこの企画はスタートしました。2011年の東日本大震災の影響で宮城県から栃木県鹿沼市に引っ越して来た母子家庭の中学生を男性が支援してきたことを物語のベースにして、東日本大震災の被災者たちのエピソードを盛り込んだフィクションとして内容を膨らませてヒューマンドラマとすることで人の絆を改めて確かめる映画となりました。東日本大震災から10年目を迎える2021年に公開します。



震災で傷ついた少女——
手を差し伸べる鹿沼のほうき職人——
​娘の想いはどこへ——



2011年。東日本大震災で未曽有の被害を受けたたくさんの人たち。その中で、被災した宮城県から栃木県鹿沼市に引っ越して来た母娘がいた。鹿沼でほうき職人として伝統を守ってきた男は、家業だけでは生活が出来ないため副業として塾を経営している。男は宮城から鹿沼にやって来たその母子家庭の娘を支えてやろうと月謝を取らずに塾に通わせていた。高校受験を控えたその娘はしかし、心に負った震災の傷が癒えずに塾を休みがちになる。どうにかしてやりたいと思うが不器用な男は何もできない。さらに自分には実の娘がいて、娘としては他人の娘にばかり優しくする父が面白くない。見かねた妻がたしなめるが男はわかっていない。やりきれない心と心がすれ違い交わりそうで交わらない。息苦しい暮らしの中で娘たちは何かを見つけるのか――