その日、カレーライスができるまで 併映HOME FIGHT
リリー・フランキーが、清水康彦[監督]、金沢知樹[原案・脚本]、齋藤工[企画・プロデュース]とともに初の一人芝居に挑む!
日本の一家団欒の象徴ともいえる家庭の味=カレーライスと、電波を通じて誰かと誰かを繋いでくれるラジオが、 ひとりの人生、ひとつの家族にもたらすものとは?2021年、誰もが大切な何かを思い出す、 あたたかい奇跡の物語が誕生!
主演は『凶悪』(13)、『そして父になる』(13)、『万引き家族』(18)など、 独特の存在感を放ち数々の映画賞を受賞しているリリー・フランキー。本作で初めてほぼワンシチュエーションでの一人芝居に挑戦。 息子を病気で亡くし、妻にも去られてしまった孤独な男・健一の悲喜交々を細やかに表現する。
また齊藤工監督『blank13』(18)に続きリリーの妻役を演じるのは『37セカンズ』(18)の神野三鈴。 声のみの出演ながら、不器用だけれど心優しい夫と交わす言葉ひとつひとつをたおやかに紡ぐ。
監督は『MANRIKI』(19)や密室スリラーのリメイク映画『CUBE』(21)で注目の清水康彦監督。リリーとは脚本・演出を務めたフジテレビ系列ドラマ 『ペンション・恋は桃色』チームでの再タッグとなる。
脚本はTBS系列ドラマ『半沢直樹』の脚本で話題の金沢知樹。 本作は19年に野添義弘還暦記念公演のために金沢が演出家・いちかわニャーとともに創作した一人芝居が原案となっている。
企画・プロデュースはマルチに活躍する齊藤工。クリエイター活動10周年の節目に「映画は不要不急なのか」「混沌とした現代にどんな作品が生まれるべきなのか」 という映画人としての思いを、信頼するチームへ託した。
主題歌は、ネバヤンの愛称で親しまれる人気ロックバンドnever young beachで ボーカル&ギターとして活動をしている安部勇磨による「テレビジョン」(21年6月、初のソロ名義で発表した 『Fantasia』に収録)。脱力感をもった歌声とノスタルジックなサウンドが物語のやさしい後味となる。また本作の劇中歌も安部が歌唱している。
わが家の味(カレー)と、いつもの趣味(ラジオ)が起こす、特別な奇跡
どしゃ降りの雨の中、ひと気のない薄暗い部屋に帰ってきた、くたびれた男。
健一(リリー・フランキー)は、幼い息子・映吉(中村羽叶)を心臓病で亡くし、そのことが原因で妻(神野三鈴)も去ってしまった。 後悔の念から同じ病に苦しむ少年のため治療費の募金活動を始めたが、目標額まではまだ程遠い。
そんな健一にとって今日は、年に一度のごちそうを作る大切な日だ。
手際良く丁寧に調理を進め、愛聴するラジオ番組に耳を傾けながら一服していると、リスナーの「マル秘テクニック」を募集している。 健一はふとガラケーを手に取ると、コンロでぐつぐつと音をたてる、とっておきの手料理についてメールを綴り始める。
「今年も妻の誕生日にカレーを作っています。三日後が、誕生日です」
「妻は三日目のカレーが好きで」
「ただ、色々あって今年はひとりです」
その横では、映吉の笑顔の写真が父の様子を見守っている。そして、ラジオから聴こえるメール投稿をきっかけに、
健一の周りでちいさな奇跡が起こり始める……
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