スキャンダル
Bombshell
PG12
カナダ・アメリカ合作
監督:ジェイ・ローチ
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ジョン・リスゴー
オフィシャルサイト
Lions Gate Entertainment Inc.

スキャンダル

アメリカのハリウッドの有名プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスティーンのセクハラ問題から広がった「MeTooムーブメント」の1年前の2016年、アメリカのケーブルテレビの大手ニュースチャンネルFOXニューズの元キャスターが受けたセクハラを告発した話です。



FOXニュースは、メディア王ルパート・マードックが創設し、初代の最高経営責任者(CEO)がロジャー・エイルズ。FOX創設前はテレビ番組のプロデューサーとして活躍し、ニクソン大統領のメディア補佐官にもなりました。アメリカのメディアは、保守(共和党)とリベラル(民主党)に分かれていて、FOXはブッシュやトランプを支持する保守党のメディアです。ちなみに、セクハラ告発され会社を解雇されたロジャー・エイルズは、トランプの選挙キャンペーンのアドバイザーとなっています。



ついでにFOXニュースを創設したルパート・マードック。資産は2兆円以上、数年前に84際にして4度目の結婚(お相手は、ミック・ジャガーの元妻ジェリー・ホール)と最近の行動だけでも映画になりそうですが、メディア王と呼ばれるまで1代でのし上がっていく様もすごいです。気になる方は、マードックとそのライバルだったマクスウェルをモデルとして書かれたジェフリー・アーチャーの小説『メディア買収の野望』がおすすめです。



実話がベースなので、メインの役柄にはモデルとなった人物がいるのですが、セクハラを告白するグレッチェン・カールソンをニコール・キッドマンが演じています。左2枚の写真が実際のグレッチェン・カールソンで、右2枚がグレッチェン・カールソンを演じるキッドマン。似てるけど、ニコール・キッドマンはニコール・キッドマンに見えますよね。



驚くべきが、シャーリーズ・セロン。FOXニュースの有名なアンカーパーソンで、自分の名前がついた番組を持っていたメーガン・ケリーを演じているのですが、そっくりすぎる! 写真の一番左と右から2枚目がシャーリーズ・セロン、左から2枚目と一番右実際のメーガン・ケリー。日本人メークアップ・アーティストによる特殊メイクによるものだそうです。(アメリカに帰化して名前をカズ・ヒロに改名した本作のメークアップ・アーティストは、本作でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています)

映画の冒頭で本作は実話を基にしているが、作品内で役を演じているのは役者です、と言った内容の説明書きが出て「当たり前でしょ」と思ったのですが、メーガン・ケリーを知っている人はメーガン・ケリーが出演していると思ったくらい似ているから注意が必要だったのかなとあとで思いました。

シャーリーズ・セロンと、ニコール・キッドマンと、マーゴット・ロビーが共演しているだけで観る価値ありだけど、いい意味でアメリカらしい話と展開なところも観て欲しいところです。

原題は『Bombshell』。Bombshell は爆弾という意味ですが、作品の中の重要な場面で「A major bombshell this morning....(今朝の衝撃的ニュースは...)」 と使われています。日本語でも「爆弾発言」という風に使われる意味での爆弾ですね。爆弾発言をする、という風に使いたい場合は「A dropped a bombshell(Aさんが爆弾発言をした)」と動詞を「drop」にします。英語も学べる刈谷日劇でした!

同じアメリカの闘う女性がテーマの「ハスラーズ」との観比べもおすすめです!