沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家
戦争の映画で子供が絡むと、本当もう切ない、切なすぎます。けれども、本作は子供たちを救うお話しなので、切ないけれど悲しいだけではありません。
戦うことだけが抵抗(レジスタンス)ではなく、相手の目的であるユダヤ人虐殺に真に抵抗するためには、、、、という主人公の発想の転換は、私たちの日々の生活の困難に対しても使えるのだろうなぁと思いました。その主人公、マルセル・マルソーという実存するパントマイムの世界ではとっても有名な人。「パントマイムの神様」とか「沈黙の詩人」と呼ばれていたそうで、だからきっとこのタイトルなんですね。
私は全く知らない人だったので、観終わった後にいろいろ調べてみました。「堪能な英語力でジョージ・パットンの軍隊の渉外係として働く(Wikipediaより)」とあり、本作の中ではニュルンベルクにある旧ナチ党党大会跡地でパットン将軍(エド・ハリス)がマルソーのことを話します。また、マルソーが英語で語っている動画などもYouTubeにありましたが、フランス人とは思えない英語の上手さでした。インタビューの中で「The mime expresses the visible in the invisible and the invisible in the visible(パントマイムは見えないものを見える形で、見えるものを見えない形で表現しているんだ)」と言っているシーンがあり、映画の中のあのセリフは(あのシチュエーションではなかったにしても)マルソーが本当に言った言葉なんだなぁと感じました。
パントマイムに関しては、モノを使わずに体だけで何をしているかわかるようにする演技だという認識でしたが、マルソーのパントマイムを観てびっくり!!!! 素晴らしすぎます。踊りのような美しい体の動きと演技で、ずっと観てられます。芸術です。 マルソーをご存知の方は、本作でパントマイムの神様っていうだけでないマルソーを知ることができると思いますし、私のようにマルソーを知らない方は、本作を通じてマルソーを知れてよかった、と思えると思います。(私の個人的なおすすめのマイムの動画は、
この動画のスケートのマイムと、人の一生を表現している「Youth, Matunity, Old and Death」です。)
カテゴリー:実話