永遠が通り過ぎていく
なし
日本
戸田真琴
中尾有伽、竹内ももこ、西野凪沙、白戸達也
オフィシャルサイト
Toda Makoto


永遠が通り過ぎていく

君は物語を生きている。
燃やしてしまった日記帳が光になって
今も頭上にあることを、ただ1人、
君だけが、知らない。
これは見える人にしか見えない
透明のサイコロ。
生まれながらに負け確定の
地獄のすごろくを生きる君の手に、
そっと握らせる最後の一手。
「映画」とはなんだろう。
その問いに、たった一輪の花を手向ける。
──映画とは、過ぎ去った星々の断末魔。
君の目をどんなふうに通過するのか、
それをこっそり教えてください。

戸田真琴



たった一人に語りかけるように、切実で美しい言葉を手向けるAV女優・文筆家の戸田真琴。2019年、「戸田真琴実験映画集プロジェクト」と称して、自らの人生における大きな喪失のようなものをベースに、言葉と映像で語り直すことを試みた。「自分の生きてきた世界のこと、ずっと興味がなくて見たことがなかった。(でも、)自分の生きてきた史実を愛している」。生まれたのは自伝的な3本の短編。



植物園で互いの宿命を解析し合う少女たちの物語「アリアとマリア」、キャンピングカーで旅に出る男女の刹那の交流を描いた「Blue Through」、監督自身の送った手紙をもとに大森靖子氏が書き下ろした楽曲を使用した喪失と祈りを描く賛美歌「M」。戸田は全作品の脚本を執筆・初監督をつとめる。1年間の自主配給による上映が話題を呼び、「永遠が通り過ぎていく」が待望の映画館での上映決定。詩的で私的な短編集は、認められない自分も照らす“賛歌”となって、きっとあなたの世界に降り注ぐ──。