WANDA ワンダ
Wanda
なし
アメリカ
バーバラ・ローデン
バーバラ・ローデン、マイケル・ヒギンズ 、ドロシー・シュペネス、ピーター・シュペネス
オフィシャルサイト
1970 FOUNDATION FOR FILMMAKERS


WANDA ワンダ

リアルな70年代です。『リコリス・ピザも70年代が舞台ですが、撮影は現代。Wandaは本当に70年代に製作されたリアル70年代作品で、私が生まれる前の時代の女性がどのような立場にあったのかっていう観点では、共感しづらいと同時にこれが日本人同士のカップルなら今もあり得そうな(男女の)関係性だなとも思いました。



フェミニズムの映画?という不確かな情報と、警官に阻まれている女性の鋭いけれど悲しそうな表情から、勝手に女性の地位向上を望んでフェミニスト運動に向かっていく話かと思いながら見たら全く違ってました。(途中までいつWandaは立ち上がるのだろうと思ってました。←私の勝手な勘違いなので、Wandaは立ち上がりません。そのままのWandaがそのままWandaらしく、Wandaであり続ける話です)



淡々とストーリーは進むのですが、退屈どころかすごく惹きつけられます。何がそんなに魅力的なのかって聞かれても即答できないのですが、グッと引き寄せる何かがこの作品、というより、Wandaという人に対してあるのだと思うのですが、それが何なのか人に考えさせるところも、本作の魅力なのかもしれません。ストーリーから、どうしても『ボニー&クライド』やタランティーノの『ナチュラル・ボーン・キラー』を彷彿させるのですが、それらの作品と本作の「差」や「違い」もまたこの作品の魅力的なところです。



マルグリット・デュラスが絶賛、マーティン・スコセッシ監督は「失われた傑作」と称賛、1970年のヴェネツィア映画祭で受賞した唯一のアメリカ映画、1971年にカンヌ映画祭で上映された唯一のアメリカ映画、70年代に映画俳優として活動していた女性が監督した数少ないアメリカ映画の一つ。だけれど、当時、映画館で上映されることなく、アメリカではほぼむしされた作品でしたが、近年再評価されオリジナルのフィルムを復元されたのだそうです。