ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方
The Biggest Little Farm
G
アメリカ
ジョン・チェスター
ジョン・チェスター、モリー・チェスター
オフィシャルサイト
2018 FarmLore Films ,LLC

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方

オーガニック、伝統農法、バイオダイナミックス(シュタイナー農法)、パーマカルチャー、これらの用語にピンときた人は、ぜひご覧頂きたい作品です。これらの農法をよく知っている人にとっては知識が増えるというよりも、広大な大地で実践しているのを美しい映像で観られる至極の時間。ナショナル・ジオグラフィックのドキュメンタリーが好きな人にも、同レベルの映像が観れるのでオススメです。



カリフォルニアの都会に住むモリーは自然派の料理家で、ジョンはテレビ番組の制作やカメラマン。犬を引き取ったことがきっかけで、伝統的な自然農法で枯れた大地を再生して、自然と共存する農場を作るプロジェクトをスタートさせます。その様子をカメラマンだったジョンが記録していたものを編集したのが本作品となります。ジョンはカメラマンとして長年自然を相手にしていて、自然を観察することによって次に起こることを予測できるようになるという経験が農業にも当てはまり、問題に(ぶち当たった)時に観察することにより自ずと次にとるべき行動が予測できるようになった、と語っていました。




自然を観察することで全てが繋がり、因果関係が(その時わからなくても、ちゃんと後になって)わかって納得できたり、全てのものが巡り巡ってバランスをとりながら共存していくということは多様性を重んじるということにもつながり、そのサイクルがあらたな豊かさを生み出します。健康な身体を作ろうと思えば、健康なものを食べた方がよくて、そのためにはできれば有機野菜など丁寧に作られた素材を自分で料理する方が、間違いないですよね。大地は土台。その大地を造る土は、有機的で豊かな方がより肥えた土壌となり、力強さを増していきます。(奇跡のリンゴを作った木村さんの挑戦を思い出しました)




人も自然の一部です。人の手で大切に育て作り上げていったパラダイスのような農園も、山火事のような大きな自然の力には抗えなません。ドキュメンタリーといえど、どうなるのか結末まで見逃せません!ジョンは野生動物の生態系を撮影していたプロの映像カメラマンなだけに、全編を通してとにかく映像が綺麗で編集も素晴らしく、ドキュメンタリーを観ていると忘れるほど。大きなスクリーンで観る価値ありです!原題は「The Biggest Little Farm」でニュアンスは「ちっちゃいけどでっかい農場」的な感じでしょうか。実際は、Apricot Lane Farms(アプリコット・レーン・ファーム)という名前で、そのサイトにはモリーのレシピも載っていますよ!