鯨のレストラン
G
日本
八木景子
谷光男、ユージン・ラポワント、ジュヌビエーブ・デスポーテス、加藤秀弘
オフィシャルサイト
2023 YAGI Film Inc.


鯨のレストラン

世界中のメディアが報じた『ビハインド・ザ・コーヴ』八木景子監督の8年越しの満を期しての最新作



ひとりの日本人女性が人生の転換期に辿り着いた“食文化としての“クジラ”というテーマを真っ向から世界に初反論し、大きな話題となったドキュメンタリー映画『ビハインド・ザ・コーヴ』。監督の八木景子は、“クジラ”という題材をさらに深く探索するべく、「地球の環境問題」にまで向きあったのが『鯨のレストラン』である。



監督の八木景子は、クジラと何の所以もなかった。ましてや、映画製作の経験すら全くなかった、 2011年、東日本大震災時に奇しくも石巻市でボランティアに参加していた。 後に、和歌山県・太地町を舞台に処女作である映画『ビハインド・ザ・コーヴ』の撮影をしていた2014年に、石巻市が日本最大の捕鯨基地と知り、驚愕したという。撮影中には多くの偶然が起きていた。人生の転換期にひょんなことから、クジラの問題に関わることとなった。「今、伝えなくてはいけない」という使命感を持って、8年、さまざまな苦境を乗り越えて最新作『鯨のレストラン』を完成させた。



<ストーリー>

全盛期の日本での消費量と比べて現在では1%までに衰退したクジラ産業。 そんな苦境な状況で「一乃谷」の大将、谷光男は、あえて「クジラ専門店」を運営している。 かつては、日本の高度成長期時代、日本人のタンパク源のトップがクジラだった。牛や豚、鳥よりもクジラが多く食されていた。クジラは今では輸入に依存しているが、「輸出」までしていた。

現在では「クジラ専門店」は、国内では手で数えるほど数件になってしまったが「一乃谷」は全国のクジラ店からも一目おかれ尊敬されている。 大将の谷が東北から上京して東京・神田に「一乃谷」として、お店を構えたのは、宮城県・石巻市で東日本大震災が起こる1年前の2010年のことであった。石巻市は、国内では最大の捕鯨基地である。

本作はクジラの料理としての魅力だけではなく、環境問題にも触れ、科学的な見地から現代におけるヴィーガンブームからの森林伐採を含め「タンパク源」のバランスの問題にも向き合う。自然資源のルールを決める国際会議と無縁の「クジラ専門店」の大将と、国際会議の主要人物の証言を記録したものである。