ヨーロッパ新世紀
R.M.N.
G
ルーマニア・フランス・ベルギー合作
クリスティアン・ムンジウ
マリン・グリゴーレ、ユディット・スターテ、マクリーナ・バルラデアヌ、オルソレヤ・モルドバン
オフィシャルサイト
Mobra Films-Why Not Productions-FilmGate Films-Film I Vest-France 3 Cinema 2022


ヨーロッパ新世紀

ブラム・ストーカーの古典的な恐怖小説「吸血鬼ドラキュラ」の舞台になったことで有名なルーマニア・トランシルヴァニア地方の小さな村を舞台にした群像劇。監督はチャウシェスク政権下のおぞましい社会状況を描いた『4ヶ月、3週と2日』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したクリスティアン・ムンジウ。



村のささいな対立が深刻な紛争へと発展していく様を描きながら、幾多の火種を抱えたヨーロッパ、そして分断された世界の危うい現状を、まざまざとあぶり出した。そして住民が一堂に会する集会所でのクライマックスは、17分間にもおよぶ固定カメラの長回しショットで撮影され、私たち日本人にとっても他人事ではない"壊れゆく世界"の有り様が鮮烈に映像化されている。



ルーマニアの巨星クリスティアン・ムンジウによる、 不穏な新世紀の新たな現実と予言の黙示録。 しのび寄る現代ヨーロッパの怖れと狂気はいったいどこに向かうのか――?



<ストーリー>

トランシルヴァニア地方の村。出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こしたマティアスが、この地に戻ってくる。しかし妻との関係は冷めきっており、森でのある事をきっかけに口がきけなくなった息子、衰弱した父への接し方にも迷う彼は、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。ところがシーラが責任者を務める地元のパン工場が、アジアからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す。やがて、そのささいな諍いは村全体を揺るがす激しい対立へと発展し、マティアスやその家族、シーラの人生をも一変させていく…。