GINAGINA ぎなぎな
還暦より先に“禍”がやってきた。
これって…ぎなぎなしてる場合じゃないぞ⁈
コロナ禍は終息の気配を見せず、世間の気配には諦めと憤懣が入り混じっていた。
還暦を迎える俳優・木村も、一念発起して補助金や助成金をあてに小さな映画を作り始める。
それは、木村にとって自分の生業に対するひとつのケジメでもあるのだろう。懇意にする仲間やスタッフを集め、主役は仲の良い後輩・恵介を据えた。ところが、肝心のシーンで恵介に大怪我を負わせてしまう。三ヶ月の重症。恵介のマネージャーからは、やんわりと損害賠償を持ちかけられたが、最後の頼みの生活補助金も却下の通知が届く。
時を同じくして娘のアサミから久し振りに連絡があった。離婚も近いと思っていた亭主との間に子供ができたと言う報告だった。しかも産んで一人で育てるとまで。
金策に悩む木村は、初めて中学の同窓会に出席する…そこで再会した学年のマドンナ的存在・雪乃と旧交を温めてみると、彼女は木村の映画に出資すると言い出した。或いは、故郷に戻って自分の会社で雇ってもいいと。しかもこれは「復讐なのだ」という謎の言葉まで添えて…。
東京に戻った木村はスタッフを集める。そしてアサミにも、木村は一つの決意を持ちかける…。
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