クレオの夏休み
前年に『aftersun/アフターサン』を送り出し最高潮に注目が高まった2023年カンヌ国際映画祭<批評家週間>部門において、オープニング作品に選出され大きな話題を集めた本作。
主人公クレオを演じたのは、撮影当時5歳半で演技初挑戦のルイーズ・モーロワ=パンザニ。公園で遊んでいた姿が偶然スタッフの目に留まり抜擢されたという運命的なエピソードを持ち、豊かな感情表現と存在感で世界中から絶賛を集めている。監督は、本作が長編単独監督デビューの新鋭マリー・アマシュケリ。愛にあふれた物語の中に、移民の女性がナニーとしてフランスの少女を育てるという、現在の欧州に見られる経済格差の構図も潜ませた。製作は『燃ゆる女の肖像』などセリーヌ・シアマ監督作品を初期から手掛けるLilies Filmsが務め、主要スタッフはほぼ全員女性で作り上げられた。
揺れる幼い心象風景がアニメーションを交えた映像でエモーショナルに綴られ、すべてが新鮮なひと夏の旅の体験を通して、人生と世界にひとり全力で向き合う、小さな成長の一歩を描き出していく。
あの時間が、いつまでもずっと続くと思っていた…誰しもの心の奥にある“子供の頃の記憶”を呼び起こし優しく包み込んでくれる、笑顔と涙がとまらない温かな一作が誕生した。
<ストーリー>
父親とパリで暮らす6歳のクレオは、いつもそばにいてくれるナニーのグロリアが世界中の誰よりも大好き。お互いに本当の母娘のように想いあっていた2人だったが、ある日、グロリアは遠く離れた故郷へ帰ることに。突然の別れに戸惑うクレオを、グロリアは自身の子供たちと住むアフリカの家へ招待する。そして夏休み、クレオは再会できる喜びを胸に、ひとり海を渡り彼女のもとへ旅立つ…。
カテゴリー: