夏の終わりに願うこと
7歳の少女・ソルは、父・トナの誕生日パーティーのため祖父の家を訪ねる。病気で療養中の父と久しぶりに会えることを喜ぶソルだったが、身体を休めているから、となかなか会わせてもらえない。従姉妹たちと無邪気に遊びまわることも、大人たちの話し合いに加わることもできず、いらだちや不安が募るばかり。やがて父との再会を果たしたとき、それまで抱えていた思いがあふれ出し、ソルは“新たな感情”を知ることになる。
よろこび、悲しみ、希望、落胆。波打つ自身の感情の変化に戸惑いながらも、物語のラスト、少女が願ったこととは—?儚くきらめくメキシコの太陽に照らされて、誰もが大切な記憶を思い出す、宝物のような傑作が誕生した。
1日を通して揺れ動く少女の心を瑞々しく描ききったのは、新鋭リラ・アビレス。MIU MIUの短編アンソロジーシリーズ「Women’s Tales」で一篇を手掛け、国際的に活躍する若手女性監督として注目を集める。「メキシコ映画の新たなパイオニア(IndieWire)」と評され、今作は長編2作目ながらベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞を受賞、アカデミー賞®国際長編映画賞のショートリストにも選出された。世界70以上の映画祭で上映され、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『レヴェナント:蘇えりし者』)、アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)、ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)らアカデミー賞®受賞監督たちも絶賛!映画初出演にして主演を務めたナイマ・センティエスほか、個性豊かな登場人物たちのアンサンブルが唯一無二の輝きを放つ。まるでドキュメンタリーのように映し出された彼らの姿が眩くも切なく、観る者の心に迫る。
<ストーリー>
ある夏の1日。7歳の少女・ソルは、母に連れられて父・トナの誕生日パーティーのため祖父の家を訪ねる。病気で療養中の父と久しぶりに会えることを無邪気に喜ぶソルだったが、準備に駆け回る家族の異変に気が付いていく。よろこびや戸惑い、希望や不安…それぞれが抱える思いが交差するなか、パーティーが始まろうとしていた—。
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