愛に乱暴
G
日本
森ガキ侑大
江口のりこ、小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみか
オフィシャルサイト
2013 吉田修一/新潮社 (C)2024 「愛に乱暴」製作委員会

愛に乱暴

「私ね、わざとおかしいフリしてあげてるんだよ」いびつな愛の暴走が日常を侵食していく―。



世界12大国際映画祭に数えられるカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のコンペティション部門に選出された本作で主演するのは、唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口のりこ。徐々に平穏を失っていく“妻”を怪演、一瞬たりとも目が離せない。家庭生活を送りながらも心は常にどこか違う場所にある“夫”を、小泉孝太郎が翳りのあるアプローチで出色の演技を見せる。一人息子を常に気に掛ける“母親”に風吹ジュン、夫の“愛人”に馬場ふみかなど個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。



原作は『悪人』『さよなら渓谷』『怒り』など数多のベストセラー作品が映画化されてきた吉田修一が、愛が孕(はら)むいびつな衝動と暴走を描いた同名小説。 監督を務めるのは、CMディレクターとして国内外の広告賞を席巻後、初の映画長編作『おじいちゃん、死んじゃったって。』がヨコハマ映画祭で森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞、ヤマシタトモコの大ヒット漫画を映画化した『さんかく窓の外側は夜』など話題作を次々と手掛ける森ガキ侑大。

物語に隠されたある仕掛けから、映像化は難しいと思われた原作小説を繊細にアレンジ、フィルムを使って主人公の背後からまとわり付くようなカメラワークで撮影を敢行、息もつかせぬ緊迫感に包まれた見事なヒューマンサスペンスが誕生した。



<ストーリー>

ヒリヒリとした情動に焼かれ、私もこの愛も乱れていく。

夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、結婚して8年になる。義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。

そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、愛猫の失踪、不気味な不倫アカウント…。平穏だったはずの日常は少しずつ乱れ始め、やがて追い詰められた桃子は、いつしか床下への異常な執着を募らせていく・・・。