【IMW】無職の大卒
VELAIILLA PATTADHARI/Unemployed Graduate
G
インド
ヴェールラージ
ダヌーシュ、サムティラカーニ
オフィシャルサイト


【IMW】無職の大卒



刈谷日劇のインディアン・ムービー・ウィーク、初めを飾るのは『無職の大卒』です。とってもインド映画らしい本作。歌って踊って、、、これも、インド映画のお約束。だって、インド人、歌って踊るの大好きなんですもの。本作中なんどもかかる『VIP』は、インドで大ヒットしたそうです。

そして、インド映画は基本よくも悪くも期待を裏切りません。悪い奴は悪い。ハラハラするところは、思いっきりハラハラさせられ、いろんな要素に話を引っ張られ、上映時間2時間越えは当たり前。隣に引っ越してきた女の子はかわいくて主人公がどんなにダメ男であっても、恋してくれる。あぁ、インド映画!

もちろん、ダメ男はダメで終わりません。そこそこ伏線を回収して、ちゃんと終わりでスキッと締めてくれます。ベタと言われようと、それがインド映画のいいところのひとつで、(長くてもいきなり踊り出しても)最後まで安心して観れて、観終わった後に「あれって、一体どういうことだったのか?」なんて小難しいこと、全く考える必要ありません。好きです、インド映画。

インドでは2作目も製作された作品です。文句なしのインド映画で、刈谷日劇のインディアン・ムービー・ウィーク(本当はマンス)をお楽しみください。



【本作品の背景】
日本は高齢者が人口の4人の1人くらいだそうですが、人口増加中のインドでは、若者が人口の4人に1人なんだそうです。そのため若者の失業率もとても高く、大学を卒業しても専攻した専門分野に関する業務に就職できることは少ないそうです。就職のための予備校が山ほどあったり、あまりの就職難のために就職詐欺まであったりするインド。そんなインドの若者の就職に関する問題がテーマとなった本作をより楽しむために、インドの就職難に関する背景を少し。。。

インドは公用語だけで10言語以上ある多言語社会です。使う文字も全然違い、インドのお札には10以上の違う文字で(多分)金額が表記されています。くるくるマルマルな文字とかあって可愛いのですが、州を越えれば全く別の文字で看板など表記されているので、旅行していて国を跨いだような感覚になりました。

(大都市の有名なエリート校と真逆のような)地方の大学で学んだ場合、その地域の言葉(本作の中ではタミル語)でスキルを学ぶことになります。共通語(本作の舞台である南インドの場合は英語、北インドの場合はヒンディー語)が話せないと不利になります。

また、高学歴になるほど失業率が高くなるのは、その増え続ける高学歴者を賄うポストが追いついていっていないから、というのもあります。職種や給料の良さを選ばなければ仕事はあっても、高い大学のローンを支払わなければならなかったり、学んだスキルを活かしたいという夢があったり、家族の思いを背負って進学した背景があったりと、なかなか「就職さえすればいい」という訳ではありません。

【ストーリー】(オフィシャルページより)
大学で土木工学を学んだラグヴァランは、時代の花形のIT専攻でなかったばかりに、職が見つからない。理解ある母と、隣に越してきたシャーリニの二人から励まされ、大きなチャンスを掴むが、大手建設会社の御曹司と対決することになる。