消滅世界
なし
スクリーン2
10:00 - 12:00
上映終了日:12/25
日本
川村誠
蒔田彩珠、栁俊太郎、恒松祐里、結木滉星、富田健太郎、清水尚弥、松浦りょう、岩田奏
オフィシャルサイト
2025「消滅世界」製作委員会

消滅世界

第46回群像新人文学賞小説部門優秀作を受賞した『授乳』を皮切りに、『ギンイロノウタ』(第31回野間文芸新人賞)、『しろいろの街の、その骨の体温の』(第26回三島由紀夫賞)、そして『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞など、数々の文学賞を受賞。今、最も読むべき日本人作家のひとりである村田沙耶香が、2015年に上梓した長編小説『消滅世界』。結婚生活に性愛が入ることを禁じられた世界で、愛し合った夫婦から生まれた少女が、自分の周りにある“普通”と自分から湧き出る欲情に向き合っていく物語だ。SFの空気を纏い、“普通”や“正しさ”という問題に独自の視点で切り込んでいく村田沙耶香ならではの表現が成された小説が、長編映画という新たな形で表現されることに。本作は、村田作品初のメディア化となる。



人工授精での妊娠・出産が常識となった時代に、愛し合った両親から生まれた雨音は異質な存在だった。アニメのキャラクターと恋愛をし、夫の朔とは性愛を持ちこまない穏やかな結婚生活を楽しむ毎日。その頃、住民全体で計画的に人工授精、出産、管理を行い、住民みんなで子育てをする実験都市が千葉に生まれていた。家の外にいる恋人との恋愛がうまくいかず、“エデン”と呼ばれるその地に移住することにした雨音と朔だったが───



『消滅世界』映画化を熱望し自らメガホンを取ったのは、ミュージックビデオやドキュメンタリー映像などを制作し、長く映像の現場で経験を積んできた映像ディレクターの川村誠。本作で脚本も初めて執筆、これが長編映画監督デビュー作となった。キャストには、今を代表する実力派の俳優たちが揃った。世間の常識と自分の中の欲情に挟まれ、向き合い続ける主人公の雨音には、ドラマ「御上先生」や映画『ハピネス』などの熱演で注目を集める蒔田彩珠。そんな雨音と出会い、家庭に性愛を持ち込むことに嫌悪感を抱く夫の朔には、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」や映画『ゴールデンカムイ』などで強烈な印象を残した栁俊太郎。さらにふたりを囲む重要なキーパーソンとして、恒松祐里、結木滉星、富田健太郎、清水尚弥、松浦りょう、岩田奏、山中崇、眞島秀和、霧島れいからが脇を固める。無駄を排したミニマルな映像世界を音で彩るのは、国内をはじめ海外へ活動の幅を広げ、高い評価を得るバンド D.A.N.によるミニマルミュージック。D.A.N.が初めて手掛ける映画劇伴と主題歌が、観客の感覚をより研ぎ澄ませていくことだろう。



正しさとは何なのか。正しいと言われることは本当に正しいのか。それは自分にとっては正しいことなのか。 村田沙耶香の視点が、少子高齢化真っ只中の現代社会に突き刺さる。雨音が選ぶ選択肢は、はたしてあなたの前にも現れるだろうか?