囚人ディリ
Kaithi
PG12
インド
ローケーシュ・カナガラージ
カールティ、ナレーン、ラーマナー、ジョージ・マリヤーン
オフィシャルサイト
Dream Warrior Pictures, (C)Vivekananda Pictures


囚人ディリ

インド映画にしては珍しく(と言っても、最近増えてきましたが)、歌も踊りもないインド映画です。多分、ものすごくシリアスに真面目に作られたのだと思いますが、そこはインド映画。極限状態なのに、ちょっとどこか抜けてるというか。笑えるというか。これ、ハリウッド映画だったら、貶してたと思うのですが、インドだからOK。



ツッコミどころは至るところにありまして、映画始まる前のところから突っ込むと「素朴!寡黙!心身深い! その魂に手錠はかけられない」っていうコピーに炎。もう、ここから笑えちゃう。ストーリーも設定も、ツッコミどころ満載!! でも、気にしない、気にしない! むしろインド映画ラバーは、そこも微笑ましく受けとめられるのですよ。

うーん、なんで、インド映画だと話が大雑把でもご都合主義でも設定が甘くても許せるんでしょうね。え、許せるのは私だけ? そんなことないですよね? インド映画好きな方は、この甘さも含めて、インド映画好きですよね? あのものすごく頭使わなくていい感じに、救われる気しますよね?



何をやっても死なないヤツ(ダイハード)というとハリウッドでは刑事ですが、こちらは囚人。だいたい「囚人」なんて言葉は(20年以上前に)廃止されていて、今は使っていないんですって!今は「受刑者」というらしいですが、正しい言い方で「受刑者ディリ」っていう映画のタイトルだったら、なんかちょっと受け取る感じが違いますね。原題は「Kaithi」というタミル語で「受刑者(囚人でなく、あえて受刑者と書いてみました)」という意味です。

悪役にコカインと銃は必須なハリウッドのイメージですが、こちらインド映画なんで、、、、と思ったら、私、多分、初めてインド人がコカインなんてやってるシーン観た気がします。だから、PG13なのかなぁ。でも、やっぱり銃のシーンは少ないです。



インドでは盗作疑惑(本当の受刑者だった人が書いた話に似てるとか似てないとかで問題)もあったらしいけど、続編が作られるなんていう噂もあったりして、本国ではなにかと話題になった作品のようです。

インド映画好きの人には、「さすが、インドクオリティ♡」っていう感じで楽しめて頂けると思いますので、師走の忙しい中、世の中のことしばし忘れて、インド映画の世界をご堪能区ださい。