彼女が好きなものは
PG12
日本
草野翔吾
神尾楓珠、山田杏奈、前田旺志郎、三浦りょう太
オフィシャルサイト
2021「彼女が好きなものは」製作委員会


彼女が好きなものは

ゲイであることを隠して生きる高校生の純と、BL好きであることを秘密にしているクラスメイトの紗枝。思いがけず接近した二人は、紗枝が純のセクシュアリティを知らないまま、“ふつう”の男女としてつき合い始めるが……。



2019年に「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化されて話題を呼んだ、浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。セクシュアルマイノリティの男子高校生と、BLをファンタジーとして享受していた女子高生が、生身の相手を通して自分や世間の壁に向き合うこの青春小説は、当事者の苦悩や生きづらさ、世の中の無知と誤解が引き起こす暴力、誰の心にも潜む無意識の偏見をひとつひとつ紐解いてみせる。それらと闘い、傷を負いながら自らの生き方を切り開いていく若者たちの物語が、このたび次世代期待のキャストで映画化。原作の問いかけを受けとめて一つのアンサーを見出した。



異性と結婚し、子供をもうけて、家庭を築く。自らのセクシュアリティを自覚する一方で、長くスタンダードとされてきたそんな幸せの形を諦めきれず、葛藤する主人公・純を演じたのは神尾楓珠。雑誌「ViVi」のNEXT国宝級イケメンランキング1位に選ばれ、圧倒的なビジュアルに裏打ちされた存在感で、激しくせめぎ合う十代の繊細な心を力強く体現し、生きた魂を刻みつけた。



BLの世界に傾倒しながらも、恋人がゲイであったという現実を受けとめきれず、戸惑う紗枝を演じたのは山田杏奈。『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)『樹海村』(21)『ひらいて』(21)と主演作の相次ぐ新鋭が、未知の世界を知って新しい扉を開ける恐れを思春期の輝きに変え、本領を発揮している。