カモン カモン
C'mon C'mon
G
アメリカ
マイク・ミルズ
ホアキン・フェニックス、ウッディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、スクート・マクネイリー
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カモン カモン

スペイン北部の港町での母娘を描いた『エルプラネタ』、パリの恋愛模様を描いた『パリ13区』と最近モノクロの作品が多い気がしますが、本作はアメリカが舞台。アメリカ西海岸の大都市ロサンゼルス、東海岸の大都市ニューヨーク。古き良き時代に自動車産業で栄え今は廃れたデトロイト、南部の独特の文化を持つ街ニューオリンズと、アメリカの特徴的な都市を背景に、叔父と甥の交流を描いていた作品。



子育てはとても大変で投げ出したくなることもあるけど、たくさんの「初めて」や笑顔や悔し涙など子どもの成長していく過程を見られることは大変さを上回るご褒美なんじゃないかと思います。子どもとのやりとりは、大人同士のやりとりよりも、とっても難しいけれど、だからこそ考えさせられるところもあったりして、そういうやりとりをとても丁寧に描いています。



むしろ、子どもとか大人とか関係なく、ひとりの人同士として接そうとするジョニーの真摯な対応に、子を持つ親としてほっこりしつつ学ぶものがあるなぁと。何か特別なことが起こるわけじゃないけど、大人になっても忘れたくないと思える大切な時間、観ている私たちもほっこりするのです。



グラフィックデザイナー出身のマイク・ミルズ監督の感性がぎっしり詰まった映像美に、会話、本からの引用、素敵な言葉が散りばめられた「言葉の宝石箱」のような、愛おしい作品。ぜひ劇場にてお楽しみください。