さすらいのボンボンキャンディ
延江 浩の短編小説を鬼才サトウトシキが映画化
注目の新鋭・影山祐子とギタリストの原田喧太が織りなす、新たな愛の世界
『迷い猫』『今宵かぎりは…』『短篇集さりゆくもの もっとも小さい光』のサトウトシキが企画と監督を務めた最新作。他者との距離感が希薄になった時代に贈る、愛を探す人びとの愚かで滑稽でちいさな物語。延江浩の短篇小説集『7カラーズ』(水曜社刊)から2002年度リトルモアストリートノベル大賞佳作の「さすらいのボンボンキャンディ」を映画化。
主演は『花束みたいな恋をした』『激怒』など、注目作への出演が続く影山祐子。生きる実感を持てないままに、性にのめり込んでゆくでもなく、声高に叫ぶでもなく、それでも人間らしいつながりと愛を求めてさすらうヒロイン・仁絵を演じて、唯一無二の存在感と大胆な演技で初主演を鮮やかに飾る。相手役の原田喧太は父・原田芳雄を彷彿とさせる好演を披露。
<ストーリー>
中にだしてもいいんだよ、と囁けば、マサルは大抵子供のようにウキウキし、彼のその笑顔をみたいがためにアタシはセックスを続けていた
仁絵34歳。夫が海外出張中で日々あてどなく街をさまよっている。
マサル48歳。電車の運転士になる夢をあきらめた男。
ふたりは互いに家族のある身ながら逢瀬を重ねる。ある日マサルが仁絵の前から姿を消してしまい、彼女はほかの男たちと寝てみるが、心の空洞が埋まることはない。
ウルサクて、退屈な人間のつくった街で仁絵はマサルの影を求めてさすらう。
ひとりの女性の性の迷宮と罪の物語の行方は――。
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