グレース・オブ・ゴッド 告発の時
Grace a Dieu
G
フランス
フランソワ・オゾン
メルビル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、エリック・カラバカ
オフィシャルサイト
2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE


グレース・オブ・ゴッド 告発の時

もう、一体全体、何しているんでしょうね? 人を救うのが宗教だと思ったのですが、宗教の名において人を殺めるし、宗教を学ぶ場で罪を犯す。しかも、汚れなき純粋な子供を。



アメリカで世間を騒がせたカトリック教会の問題が明るみに出て始めたのが1990年代後半。それまでも告発はあったのですが、大きく扱われることはありませんでした。それが2000年初期、ボストンでの不祥事がスクープされ全米に報道されたことで、ようやく事態の深刻さ、闇の深さの一端が現れ始めました。。この問題はアメリカの一都市に限らず、多くの教会や施設で起きていて、同じような事件はアメリカ以外の国でも起きています。



本作品はフランスで実際に起きた実話を元に、フランソワ・オゾンが監督をした作品です。被害を受けた事実を抱えて、生きてきた過程や、今も根深く奥底に埋もれているトラウマと、どう向き合っているのかという側面も丁寧に描いています。

2020年3月、元司祭の判決は出ていますが、その判決で被害を受けた人たちの傷は癒されたのでしょうか。教会の問題だけでなく、家庭内、施設内などでも、同様の虐待は起きていると思うのですが、どうすればこれ以上罪のない子供たちが傷つけられないようになるのでしょうか。



聖職者は「そうならないように、祈りましょう」と言いそうですが、神に仕える聖職者の人たちが祈って、なぜ聞き遂げてもらえないのでしょうか。由々しき問題です。