BLM

先週からアメリカで起きているムーブメント、ニュースなどで知った方もいらっしゃると思います。アメリカでデモは9日目を迎えた今日、ジョージ・フロイド氏を死に追いやった警察官の罪が(過失致死に近い)第三級殺人から(計画性のない殺人とみなされる)第二級殺人に切り替わったことで、ひとつの山場を迎えました。

BLMというのは、Black Lives Matter (ブラック・ライブス・マター)の略で、「黒人の命は(白人の命同様に)重要だ」という意味になり、2012年のトレイボーン・マーティンという17歳の青年がフロリダ州のサンフォードにて射殺された事件に発します。武器を持っていない十代の青年に発砲し殺したジョージ・ジマーマン(警察官ではない自主的に地域を守る自警団)は、正当防衛を理由に逮捕されなかったことから、抗議の声がアメリカ全土に広がりました。

翌年、ジマーマンは第二級殺人容疑で裁判となりますが無罪釈放され、BLM運動は広められました。翌年にニューヨークで警察によりエリック・ガーナーが絞殺され、その時の警察官が裁判で不起訴処分となったことから、全土で抗議デモが広がりました。平和的に抗議する意味で、たくさんの人が寝転んで死んだふりのような行動をとりました。(今回のデモでたくさんの人が寝転んでいる映像や写真を見られた方がいたら、この事件がきっかけです。アメリカでは、ほとんどの人がエリック・ガーナーの名前は知っている、知らなくてもこの事件のことは知っているのではないかと思います。)

BLM運動が盛んになったのは、近年になって黒人が警察官によって殺される事件が急に増えたから、ではありません。これまでも、ずっとずっとずっと、黒人の人たちは系を犯していても犯していなくても、武器を持っていなくても、抵抗していなくても、非黒人の警官によって殺されてきました。これまでも多くのケースでは、遺族や友人や活動家がどんなに声をあげても、黒人に不備があり警察は正当防衛だった、というような内容で、人を殺してもその罪を負う警察官はほとんどいませんでした。いたとしても、停職処分や重くても解雇で、人を殺した罰とは言えないようなものであり、そのことに対して多くの人たちが不満を持っていました。

エリック・ガーナーの事件は、その時の様子がその場にいたガーナーの友人により録画されていました。
スマートフォンの普及により、手軽に動画を撮影できるようになり、人がいるような状況で起きた事件に関しては、周りにいた人たちが動画を撮影し、その動画をSNSなどにあげたことで、情報が一気に広がったことで、明るみででただけです。写真2枚目の名前は、警察官に殺された黒人の人たちの名前です。この人たち以外、数百人から数千人の名前を知られていない黒人の人たちが警察による正当防衛で殺されていると思われるそうです。

ジョージ・フロイド氏が警察官によって殺害された動画は、その日のうちにSNSで拡散されました。同じ日、ニューヨークのセントラルパークでバードウォッチングをしていた黒人の男性が、犬にはリードをつけるように規制された場所で犬を放していた女性に丁寧に犬にリードをつけるよう依頼したら、その女性が逆ギレして警察に「黒人男性に脅されているから、今すぐここに警官を来させて!!!!!」と電話をかける動画も拡散され、白人女性はその日のうちに犬を手放すこととなり、次の日には会社を首になりました。

これも、アメリカではよくあることで、白人の女性と黒人の男性だと、(証拠がなければ)白人の女性の言い分が通るのです。もし、この動画がなくて、もしその場に警官が来て、もしこの黒人の男性が何もしていないと訴えているにも関わらず、女性が襲おうとしたと訴えてるので、警察官が黒人男性を取り押さえて仮にそれが原因でこの男性が死んだとしても、これはアメリカでは珍しいことではないのです。

この件で私なりに思うことはたくさんあります。映画業界も同じで、事件のあと、A24などをはじめ多くの製作会社、配給会社、Netflixなどの配信業者も、BLM運動に賛同して黒色を背景にメッセージを届けました。火曜日には音楽業界、スポーツ界など多くの業界の人たちがこぞって、ブラックアウトトゥースデー(直接の意味は停電の火曜日)として、真っ黒一色の画像をあげ、抗議の意を示しました。

日本では関係ない運動だと思う方もいらっしゃるかもしれません。「無視するのは共犯者と一緒のこと(To be silent is to be complicit. )」Netflixがあげていたメッセージです。映画に関わるものとして、私ができること。それは、このテーマを扱った映画をご紹介することかなと思いました。

 
ブラインドスポッティング       レ・ミゼラブル

よろしければ、こちらの動画もどうぞ。
「黒人の親が子供に、どのように警察と関わるのかを教える」内容の動画
今回の事件に関してスパイク・リー監督による短編動画